社長ブログ更新しました【Vol.3】

逆転の発想

設計製作の中で作られる加工部品は、材料を切断したり削ったり、成形したり工作機械で作っている。
それとは逆の付加製造技術(Additive Manufacturing Technology)というのがある。
文字通り、付け加えて製造する技術だ。
代表的なのが、エフ・アイ・ティにもある3Dプリンタによる製造方法である。

近年、3Dプリンタは機能と材料の進化が進んできた。昔は試作用だったが、実用部品に利用が可能になった。
同じ目的の部品でも製造方法が変わると設計手法も変わり、形状も変わる。
それによる設計自由度は大きく広がるかわりに、設計に意匠デザインが要求される。
今後はそれが出来る会社が世の中に求められるだろう。

量産に使うにしても、プリントスピードは遅いが、多台数あれば問題ない。
やがてスピードも仕上がりも向上するのは時間の問題だ。
大手メーカーも3Dプリント部品を量産に使う流れは新しい常識になってきている。

大量生産品であっても、iPhoneが切削加工で作られている事には発売当時驚いた記憶がある。
部品を切削加工するなんてコストがかかるのが常識だったからだ。
今ではiPhoneボディはアルミの板から削り出している。
当然加工には時間がかかるので、1台1,000万円のNC工作機械だとしても一体何台の設備が必要なのだろう。
しかし毎年新モデルを出すなら、多数の金型を用意するより逆にコストはかからないのかもしれない。
常識に反した製造システムが実は最も理想だったという話である。

新しいアイデアはただ逆転するだけで生まれることがある。
仕事で大事なのは、難しい事なら簡単にする方法を、大変な事なら楽にする方法を探すこと。
決して質を落とすことではなく、今よりも良くなる追求をすることだ。

最後にあったかい焼き芋を食べるより、冷めたほうがより甘い。

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